駆出し料理人の徒然日記。飲食店出店までの長い道のり。誰でもにでも分かるレストランの厨房物語。 |
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料理のこと16 03/7/25 先日からお話している、デザートの考案にようやく決着がつきました。
私が編み出したのは、ラングドシャ(クッキー)で作った籠に、リキュール漬けのフルーツを盛り
ザバイオーネ(イタリア版カスタード)をかけ、その上に蜂蜜アイスをのせると言うもの。
思い起こせば2週間前に出されたこの課題、
最初に提案した「バニラアイス 4種のソースの彩り」で店長に
「小手先、普通の家庭でもできること」と駄目だしされ、めちゃめちゃへこみました。
自分の浅知恵を見ぬかれ、何でも器用にこなせると思い上がっていた自分が
正直情けなくなり、やるせない思いで再チャレンジしました。
通算7回目の提案で見事に通り、本日の試食に至ったわけです。
ラングドシャを籠型にするのにてこずり、自宅に持ち帰って何度か練習を重ね、
本日完成形でスタッフ一同と私自ら試食しましたが、
これが予想を上回るおいしさで自分でも驚きました。
努力の甲斐を感じたのと、
一皿を創造した実感を掴み、何とも言えない幸せを感じました。
改めて「ああ、俺は料理人になるんだ」とひしひしと感じられました。
この感動を忘れなければ、夢は実現する。
入り口から一歩踏み出した自分がいます。
お菓子の基本大図鑑
うちはコースメインでお料理を提供しております。
単品以上のクオリティーを求められるコース料理。
この本で紹介されている品々は大変クオリティーが高い。
重宝する一冊です。
メニューチェンジの時は手放せません。 |
料理のこと17 03/7/27 我が料理人生の鉄人である当店店長は
おりに触れてご紹介している次第ですが、
私の身近な目標として眼前に君臨しているの訳です。
ホテルでの修行から数えて12年のキャリア、
その技術と創造力は遠く及ばない
同い年の師匠です。
事基本にかけては学ぶ事も多く
今回紹介する玉ねぎスライスの素揚げも然り。
8月からの魚料理は「うなぎのポワレ ラタトゥユ添え」なんですが
そのつま物と言うか口休めにこの玉ねぎを添えるわけです。
作り方は簡単、玉ねぎを超スライスして湯で灰汁を抜き
水を切って、揚げるだけです。
しかし、やるのが難しい。
玉ねぎをかなりの薄さでスライスし尚且つ厚さを均一にしないといけない。
厚さがまばらだと揚げた時にムラが出来て、食感が乱れるからです。
私もお手伝いしましたが、2個の玉ねぎのうち1個は他の料理に回ることになりました。
言わずもがな、店長は全部超スライスです。作業中、トントントントンと言う
リズムの整ったパーカッションが厨房に響いていました。
そして、揚げるのも難しい。
極薄のスライスですから、油断するとアッと言う間に焦げてしまう。
鍋を常に揺らしながら、低温で丹念に色付かせていくのです。
正にプロのワザ。
しかしこう言った口休めはあくまでも口休め。
メインの存在感には敵わず、皿の上にのったまま
厨房に返ってくることも良くあります。
見えない努力、縁の下の力持ち。
引き立て役の担うものは大きいようです。
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料理のこと18 03/7/31 この間の火曜日、当店ミーティングを兼ねて米子の駅近くにある
クスクスと言うワイン&レストランに勉強に伺ったのですが、
オーナーシェフの岡さんの作られる料理の優しいこと。
感動も致しましたが、打ちのめされた気分でした。
デザートにティラミスとヨーグルトのソルベが出てきたのですが、
当店もソルベを提供していて、作っているのは私です。
圧倒的な力量の差を感じて悔しさ半分やる気半分、おいしさ全部。
間近な目標が出来ました。
この経験を活かして、新デザートのメイン、蜂蜜アイスを作ったわけですが、
自らを戒め完成度を見なおし、凍らしては攪拌し再度凍らしては攪拌し。
一度は完成と思っていたアイスをより滑らかにして、
店長チェックに挑みました。
すると、
「うめえ。」
と言ってニヤリ。
私もニヤリでした。
口どけのその奥に、蜂蜜の余韻が残せるようになりました。
まだまだがんばって追求しないといけないのですが、
まずは自分のテイスト オブ ハニー |
料理のこと19 03/8/1 現職場に就職して3ヶ月。
当店は仕事の割り振りに関して、実力主義なので
出来る人間はどんどん仕事を任されます。
店長の教育方針でしょう。「習うより慣れろ」
やる気と興味は超高校級の私は、
どんどん覚えてどんどんやらしてもらってます。
最近は火口(熱いところ)の料理を指導してもらってますが、
今回は調味料の効果を勉強している事と相俟って、
熱凝固を活かした仔牛のロティを紹介したいと思います。
仔牛のロティ、正確にはロティールですね。
ロティールとはオーブンで焼く事です。
現在のメインの肉料理はこの仔牛の肉をベーコンで巻き、
塩・胡椒して一度フライパンで焼き色をつけます。
それをオーブンに入れて、中までじっくり火を通すわけです。
肉でも魚でも皆さんご存知の通りに、火を入れると固くなります。
これが熱凝固ですね。フライパンで焼くことによって、うまそうな焼き色を
つける役割と、旨味を閉じ込めてしまう効果があります。塩を振るのは
塩味をつけるのと同時に熱凝固を促してやるわけです。
フライパンでこんがりと少し焦げつくくらいに焼き色を表裏につけてやると、
焼く前に振った塩胡椒、フライパンに溶かし込んだバター、そして肉本来の旨味が
全く幽閉され、オーブンによる過熱でとろけ合い、
食べた時にあつあつで口の中に広がるのです。
料理とはある意味科学の領域も踏まえているんですよね。
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料理のこと20 03/8/3 早いものでもう20話目になりました。
この調子で50話、100話と続けたいと思います。
来る8月3日で私が厨房に立って3ヶ月になります。
生涯に渡って料理をして行くと志したからには
1日1日、1ヶ月1ヶ月、1年1年が非常に意味のあるものであると
痛感する毎日、もうこの先の人生は足し算であると考えたいものです。
たまには掛け算、ひょっとしたら割り算もあるかも…
来週のシフトから火口に本格的に入らしてもらえることになりましたが、
極めて特殊な指導方針をしく当店において、
任された責任は重大。
期待と不安の入り混じった気持ちです。
料理人一年生の私には、何よりお客様の意見が大事。
不安を抱えながら、一人でも多くの人の感想を聞きたいものです。
もちろん、おいしかったって言われたいですけど…
もし、来待に立ち寄られる際、
食事を望まれる方があれば、
是非とも当店にいらしてください。
精神誠意、おいしいものを
愛情込めてお作り致します。
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