駆出し料理人の徒然日記。飲食店出店までの長い道のり。誰でもにでも分かるレストランの厨房物語。
 
 
 
 
 

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◆◆頂きますのその前に◆◆
 

 料理のこと11 03/7/13

体験したり、気付いたり、見知った事を
徒然に書き綴っているので、エッセーの構成が
まちまちになって申し訳無いです。
今まで10話書いてきて、ここで「いただきます」に
戻ってしまいますが、最近の私の教科書にとても良い事が
書いてあったのでご紹介します。
 
「テーブルコーディネートをすると言う事は、毎日、毎回の食事を
大切にし、心豊かにおいしく食べるための営みをすると言う事である。
毎食の積み重ねが、経験となり、思い出となり、感性が磨かれ教養となり
より良い人間形成の土台となる。
食と言う字は「人が良くなる」と書く。食べ方を知ると言う事は
テーブルコーディネートを通して感性豊かになることである。」
 
料理人を目指す自分の意義は、
とても崇高で誇り高いものだと思いました。
ダライラマ14世の言葉
「愛する事と料理には、脇目を振らない情熱を持って
臨みなさい」
この言葉が心にこだまする。
 
フードコーディネーター教本
 
フードコーディネーター教本
料理に迷ったら何度でも読みたくなる本です。
心得って大切。
 
 
 
 
 
◆◆色仕掛け?のブルノワーズとトマトピューレ◆◆
 

  料理のこと12 03/7/17

料理のおいしさにはいろいろな要素が含まれているのですが、
皆さんいくつか思いつきますでしょうか。
 
まず、
@味 これは全く欠く事のできない要素ですね。
味の悪いものは当たり前に食えません。
おいしい料理を作るべきして、長い仕込みがあるのですね。
 
A環境(スタッフサービスも含む) これは形として示しづらいものですが、
怠っている店も多いようです。悪い環境では人は味覚が鈍るようです。
考えて見てください。いくらおいしい物でも体育館でたった一人で
食べさせられたら、味になんか集中できませんよね。
 
B盛りつけ 今回一番触れたかったのはこれです。(前振り長すぎ…)
おいしい味、おいしい環境でも、見た目が悪ければ箸をつける気になりませんね。
例えば、ご飯茶碗にアイスクリームが盛られて出てきても、
おいしいを引き出す要素に欠けます。
 
現在の当店のメニューにおいては、
オードブル カツオのカルパッチョ 
 にズッキーニ・赤パプリカ・黄パプリカのブルノワーズ(2〜3mmの角切り)を
初夏のトマトとシーフードのパスタ
 にトマトピューレを添えています。
 
ブルノワーズは2〜3mmに切った野菜を熱湯をくぐらせ、すぐに氷水に漬け
色止めをして、鮮やかなままカツオの周りにあしらいます。白いお皿の上には
カツオと赤・黄・緑の刺激のある原色が散りばめられ、それを抑するように
真っ黒い煮詰めたバルサミコ酢で円を描きます。バルサミコの黒によって
皿全体をぎゅっと引き締めます。
 
トマトピューレは、湯剥きして種を除いたトマトをミキサーかけ、塩こしょうで味を整え
白ワインビネガーで酸味を補います。それと同時にトマトのピンク色をより鮮明に引き出します。
それをゆでて熱いトマトソースの上から冷たいまま垂らし込みます。
熱いトマトソースの少し鈍い赤と、冷たいピューレの鋭いピンク。
2色が陰影となって皿に立体感がうまれます。
 
ストーリーが良くても、見応えのない映画のように、
料理も味を踏まえた盛り付けが必要なようです。

 

◆◆属性の一致 デザート奮闘記1◆◆

  料理のこと13 03/7/20

 
 
当店は夏の盛りを迎えるべく、メニューの総入れ替えを
進行しています。
オードブル・ピザ・スープ・パスタ・魚・肉・デザート
夏を象徴する料理内容に一新するのですが、
これがなかなか大変で普段の業務に加えて
考案したメニューをミーティングして試食して
一皿ずつ変えるというもの。
 
私も役所をもらい、デザートを思案中ですが
過去3回の選考に全て脱落、なかなかお墨付きを
もらえません。
 
デザートは他の料理と違い、付け合わせと言う感覚が
ありません。従って皿にのるものは全てそれなりの主張をしないと
いけないと言う事です。即ち
音楽で例えると、メインの肉や魚はアイドルです。
豪勢なバックバンドを従えて、一人舞台の派手なリサイタル。
かたやデザートはバンドスタイルです。みなが協調し合って、
甘味と酸味とコクをアンサンブルするわけです。
しかもコースの締め、オオトリを務める訳ですから、
アマチュアバンドのようなレベルではいかない訳です。
美川賢一や小林幸子が出てきた紅白の最後に
アマチュアバンドが出てきたんでは、良い年は迎えられません。
グランドフィナーレと行きたいものです。
 
課せられた位置付けは超重要。
 
どんなバンドを組もうか。
バンドには統一感が大事です。
ギター,ベース,ドラム,ヴォーカルの4人編成とすると、
4者の統一感とバランスが必要。
全員ベースとか、ツインヴォーカルでドラム抜きとか無理ですね。
 
そこでキーポイントとなる属性の一致です。
 
長くなったのでこの続きは、また明日。
良い週末を…

 

◆◆属性の一致 デザート奮闘記2◆◆

  料理のこと14 03/7/22

 
前回からの続きです。
 
デザートにおける属性の一致なんですが、
5回目のボツの中に、蜂蜜アイスとミントのジュレ(ゼリー)が
一皿の上に盛られる事を想定したのですが、
先輩曰く「二つの食い合わせが合わない…」と言う事です。
もったりとした甘さの蜂蜜アイスにキリッとしたミントが合わない。
味のコントラストがついても、二つを同時に口の中に入れた時に
あまりにも味に差異がありすぎる訳です。
 
そこで先輩からの提案は、お互いに関連をつけてやった方がいいと言われました。
その関連付けとは、蜂蜜アイスに抽出したミントエキスを入れるか
ミントジュレに蜂蜜を垂らし込むか、
もしくは各々にレモン果汁を使うか。
 
食感のバラエティー、味の調和、そして関連付け、言わば属性の一致。
 
知れば知るほど奥深い
料理の世界が無限に広がっています。

 

◆◆道具を選ぶベシャメルソース◆◆

  料理のこと15 03/7/23

 
 
先日当店、グランブルーにて約40名のビュッフェパーティーが
行われた際の事、我が偉大なる料理の師である店長が
オマール海老にかけるベシャメルソースを作っておられました。
 
大抵のソースはソースパンか、手ごろな手鍋で作るのですが、
このベシャメルに限って、ステンレスボウルで作るのです。
ボウルを直接火にかけるのです。
 
取っ手のないボウルを火にかけるのは、熱い。
なぜそんなことをするのか不思議に思い訊ねると
ベシャメルは常に混ぜつづけないといけないからだそうです。
バターを火にかけて溶かし、そこに小麦粉を入れたら
粉っぽさがなくなるまで詰めます。
そこに暖めた牛乳を少量ずつ入れて、泡だて器でひたすらかき混ぜつづけます。
もうそれはひたすら、尋常じゃないくらい。
 
ステンレス製の泡だて器でアルミ製の鍋を一生懸命混ぜると
アルミがステンレスに負けてソースに混ざってしまいます。
すると、それが灰汁となって表面に浮いてくるんですね。
全部すくえれば良いんですけど、牛乳を混ぜますから、
どうしてもとろみの中に溶け込んでしまい、すくいきれない。
そしてそれがソースの中に雑味として残ってしまいます。
その点、ステンレス製のボウルを使えば擦れて
研磨してしまう心配がない訳です。
 
だから熱くてもボウルを火にかけるんですね。
 
料理の知恵は建設的で科学的、
先人達のあらゆる知恵が込められています。
 
 
柳宋理 ステンレスボウル3点セット
 
柳宋理ステンレスボウル
良い道具は良い料理の基本。
デザインの良いものなら更に。
職場に限らず家庭でも良いもの使いたいです。
 
 

 

 

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