駆出し料理人の徒然日記。飲食店出店までの長い道のり。誰でもにでも分かるレストランの厨房物語。
 
 
 
 
 

 楽天日記   おいしいお酒のことオススメのリキュール・スピリッツ 素敵な音楽のことCD・DVDリコメンド カクテルあれこれ 

 
◆◆パンの作り方◆◆
 

 料理のこと6 03/7/5

 
 
当店では自家製のパンをコース料理にお出ししております。
決して素材から選ぶような上等なものではありませんが、
丁寧に作っているおかげで、定評があります。
 
パン作りのコツは、分量通りに計量して、強力粉であったり
イーストであったりを混ぜ合わせるのですけど、
それ以上に大事な事があります。
それはパンが生きていると言う事を忘れない事。
 
パンは発酵させるためにイースト菌を使います。
発酵は菌の活動ですから、パンの中でイースト菌が活動している訳です。
生き物を粗雑に扱うと、自分イメージ通りに活動してくれませんから、
イースト菌に対して優しさや愛情を要する訳です。
思いやりですかね。
 
「恋人に接するように、優しくこねてあげる。」
毎度ながら、店長の言葉です。
 
おすすめSHOP:ママの手作りパン屋さん 
驚くほど品揃えが豊富。見ているだけで楽しくなるお店です。
 
パンの基本大図鑑
 
パンの基本大図鑑
基本からプロのレシピまで170種掲載。
出来る出来ないに関わらず見ていて楽しくなります。
一生かけて使える本です。
 
 
 
 
◆◆構造上のスズキのカルパッチョ◆◆
 

  料理のこと7 03/7/6

 
 
本日、当店は貸切のビュッフェパーティーが行われました。
総勢29名に
 
・スズキのカルパッチョ
・フォアグラとスペックハムのピザ
・魚介のパエリア
・初夏のトマトとシーフードのパスタ
・仔羊の香草パン粉焼き
・活きオマール海老のロティ ハーブの香りを添えて
・フルーツの盛り合わせ
・アフタードリンク
 
と言う内容で料理を提供したのですが、
これだけのメニューになると、仕込みも2日間に渡ります。
 
その中でも今日心に残ったのが、
スズキです。
昨日、砂糖,塩,白ワインビネガーでマリネしたスズキを
今朝最初に流水にかけてから、カルパッチョ用に切り分けたのですが、
スズキの切り身は尾に行くほど塩分が浸漬しているのです。
 
それは、尾の方が身が薄いのもあるのですが、
魚でも獣肉でも身体構造は残っているからです。
つまり、血抜きをしても血管は残っているし、
流線型の魚は尾に筋肉構造が集約されているんですね。
だから自然と塩分が尾っぽの方に流れていく訳です。
 
 
何事も仕組みを理解しない事には始まらないですね。

 

◆◆薬膳としてのカレーライス◆◆

  料理のこと8 03/7/9

 
 
20代前半からカレー作りは好きでした。
基本的に煮込むと言うのは好きで、
手間をかけたらかけただけ、時間をかけたらかけただけ
おいしくなるからです。現職につく前も
休みの日は早起きして牛すね肉を12時間煮込み
ボルシチを作ったくらいです。
 
昨日のまかないはカレーでした。
当店メニューにはありませんが、
たまにゆとりのあるときはじっくりと
まかないに手をかける痛快な職場です。
その若き日にも考えていたのですが
カレーは薬膳に出来ると思います。
1日30品目の摂取必要な食材を
一食で楽々クリアできるし、
にんにく、生姜、唐辛子等のスパイスは
代謝機能を高め、
肉、魚等用いる材料を概ね選ばない。
なんならジャムやインスタントコーヒーまで使える。
更に料理として調和が基本になっている。
 
こんなに整ったバランス料理は
他にあまり無いんじゃないかな。
 
めちゃめちゃ多数の種類の粉製品を取り扱っているショップ。無添加・無漂白など体に良い物も取り揃えている。
 

 

◆◆遠心力のピッツア◆◆

  料理のこと9 03/7/10

 
当店は地中海料理と名打っています。
非常にあいまいな表現だなと思いますが、
イタリア・スペイン・フランス料理の要素を
もっているからこうなっているそうです。
 
ディナーのコースはパスタ・パエリア・リゾットから
お選び頂いているのですが、
ピッツアもコースに盛りこまれています。
オードブルの後のアミューズ感覚でちっちゃいものですが、
生地から作っています。
 
今日のまかないは練習がてら、私がこねました。
ピッツアもパン程ではないですが、イーストを使うので
生きていると考えられます。
しかし、発酵を待たないのであまり扱いに神経は使いません。
パンが恋人ならピッツアは友達感覚でしょうか。
一緒に遊んでいるみたいです。
 
麺棒で平たく伸ばしたら、イタリア仕込みのピッツアオーラよろしく
軽く投げてやります。宙に浮かすと言うんでしょうか。
両手の甲で持ち上げて、クルッとまわすんですね。
そうすると遠心力で軽く広がります。
上級者は空中で2〜3回転するんでしょうが、
私の場合、1回も回せませんでした。
いずれにせよ楽しい遊戯の時間を過ごしました。
 
いつの日か天井に張りつく程に
高く投げてみたいものです。
 
 
(受け取る時、やぶれると思うけど……)
 
たかが小麦粉、されど小麦粉。良い物を取り選びたいものです。
 

 

◆◆先人達の知恵 クリスタリゼ◆◆

  料理のこと10 03/7/12

 
今日は当店暇でした。
そこで、次回のデザートの試作をしていたのですが、
レモンバームとパイナップルの飾り菓子に挑戦していました。
見た目においしいと言うのは原則で、デザートにおいては
他の料理より、より重要です。
インパクト・サプライズは意外と人を幸せにする物です。
言わば食のプレゼントがデザートと考えます。
 
クリスタリゼとは、簡単に言うと砂糖漬けにして固める事です。
レモンバームと言う、レモンに似たハーブとパイナップルを
砂糖漬けにして固めたのですが、やり方はこうです。
 
レモンバームは卵白とレモン汁に浸し、グラニュー糖を表側に
まぶして放置します。すると、砂糖が水分を吸って葉っぱが固めるんです。
余分につけた砂糖はそのまま固まりますから、表面がキラキラ光って見える訳です。
正にクリスタル!格好良くなる訳です。
パイナップルはシロップに漬け、オーブンにかけ水分を飛ばします。
糖度が高ければ高いほど、カリッと仕上がります。
銀杏型に切ったパインを二枚使って、蝶々に見立てて皿にあしらおうかなと
考えています。
 
いずれにせよ言えるのが、昔の人はよく考えたものだと思います。
いつ誰が、どの様に思いついたのか、不思議でなりません。
人類の知識の含蓄は壮大だと思います。
我が人生の師匠も繰り返し言ってました。
「先人達の知恵に習った上で、オリジナリティーの話だろ。」と
 
 
未だに怒られそう…
 
 
ハーブ料理のテクニック
 
ハーブ料理のテクニック
鉄人坂井の片腕、石井義昭の著。
ハーブ仙人の贅を凝らしたハーブへのこだわりようは
壮絶の一言です。極めるってすごい。
 

 

 

ホームへ

 

 

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送